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効率的フロンティア&資産配分シミュレータ

リスクをどれだけ取るかを決めると、「株式:債券:無リスク資産(現金等)」の理論上の最適な割合が決まります。現代ポートフォリオ理論(効率的フロンティア・CAPM・トービンの分離定理)に基づく計算です。

はじめにお読みください:本ツールは過去実績(または入力した前提)に基づく理論計算です。期待リターン・リスク・相関は過去の値であり、将来も同じである保証はありません。結果は前提に強く依存し、投資助言・推奨ではありません。税金・手数料は考慮していません。

入力

円ベース=米国の株式・債券を「為替ヘッジなしで円から持つ」場合の実績。日本で暮らす投資家の実感に近い見方です。切り替えると下の値がその実績値にリセットされます。
リスク資産の前提実績データから自動計算
S&P500(配当込・名目・算術平均)
年次リターンのばらつきの大きさ
米10年国債(名目・算術平均)
円ベースでは為替リスクの分だけ大きくなります
低いほど分散効果が大きい。円ベースでは為替が共通要因となり高くなります

リスク・リターン平面(効率的フロンティアと資本市場線)

効率的フロンティア(株式と債券の組み合わせ) 資本市場線(CML・接点PFより右は借入が必要なため破線) 接点ポートフォリオ(★) 最小分散PF(■) あなたの位置
グラフ上でマウスを合わせる(スマホは長押し気味になぞる)と、その点の配分と数値が表示されます。右上にあるほど「同じリスクでリターンが高い」効率的な組み合わせです。
左に動かすほど安全寄り(無リスク資産の比率が増加)、右に動かすほどリターン重視。目安:全体が1年で上下におよそ±(この値×2)%動く可能性を許容できるか。

あなたの最適配分

株式 債券 無リスク資産
この配分の期待リターン(年率)
この配分のリスク(標準偏差)
シャープレシオ

接点ポートフォリオ(★・シャープレシオ最大)
最小分散ポートフォリオ(■・リスク最小)

→ この配分でモンテカルロ取り崩しを試す

上の配分全体の期待リターンとリスクを、モンテカルロシミュレータに引き継ぎます(配分全体を1つの資産とみなす近似)。

→ 4%ルール検証ツールで過去データの取り崩しを見る

株式・債券の配分比率を変えて、過去実績での取り崩し成功率を確認できます。

結果の読み方

曲線(効率的フロンティア)は、株式と債券の混ぜ方(0〜100%)を全部試したときの「リスクとリターンの組み合わせ」です。曲線が左に膨らむのは、値動きの異なる2資産を混ぜるとリスクの一部が打ち消し合うから(分散効果)。■最小分散ポートフォリオはその中でリスクが最小になる混ぜ方です。

緑の直線(資本市場線・CML)は、無リスク資産(預金・個人向け国債など)と★接点ポートフォリオを混ぜたときの組み合わせ。直線上の点は、同じリスクなら曲線上のどの点よりもリターンが高いか等しい——つまり「株と債券の混ぜ方は接点PFに固定し、リスクの調整は現金の量で行う」のが理論上最も効率的です(トービンの分離定理)。

スライダーで目標リスクを選ぶと、●あなたの位置がこの直線上を動き、対応する「株式:債券:無リスク資産」の割合が表示されます。接点PFより右側は、借入(レバレッジ)をしない場合はCMLに乗れないため、曲線(フロンティア)上を進む配分に切り替わります。

計算方法(数式)

株式比率w のポートフォリオ:μp = wμ₁+(1−w)μ₂、σp² = w²σ₁²+(1−w)²σ₂²+2w(1−w)ρσ₁σ₂

最小分散PF:w = (σ₂²−ρσ₁σ₂) ÷ (σ₁²+σ₂²−2ρσ₁σ₂)

接点PF:超過リターン e=μ−rf として w = (e₁σ₂²−e₂ρσ₁σ₂) ÷ (e₁σ₂²+e₂σ₁²−(e₁+e₂)ρσ₁σ₂)。シャープレシオ SR=(μp−rf)/σp が最大になる点で、解析解とグリッド探索の一致を検証済み。

分離定理:目標リスクσ*に対しリスク資産比率 k=σ*/σ接点(0〜1)。配分=株式k·w、債券k·(1−w)、無リスク1−k。σ*が接点PFのリスクを超える場合は、借入をしない前提でフロンティア上のσp=σ*となる点を返します。

期待リターンは算術平均(1期間の平均・分散分析の標準)。変動がある場合、長期の複利成長率はおよそ「算術平均−分散/2」まで下がる点に注意(モンテカルロの解説参照)。リターンはすべて名目です。

よくある質問

なぜ「円ベース」が既定なのですか?
米国の株式・債券をヘッジなしで持つ日本の投資家が実際に経験するのは、ドル建てのリターン×為替変動を掛け合わせた円ベースのリターンだからです。円ベースでは米国債券のリスクがドルベースの約7.9%→14%超へ増え、株式との相関も約0.02→0.5前後へ上がります(為替という共通要因を両方が持つため)。その結果、最適配分も大きく変わります。ドルベースに切り替えると違いを確認できます。
期間は「全期間」と「直近30年」のどちらを選べばいい?
迷ったら既定の全期間を推奨します。年次データでは期待リターンの推定誤差が大きく、30年の標本では±4pt程度もあるため、「直近に絞るほど正確」にはなりません(むしろノイズが増えます)。一方で、株と債券の相関は金利局面によって大きく変わります。たとえばドルベースの相関は全期間で約+0.02ですが、直近30年では約−0.28(低金利・低インフレ期に株安と債券高が同時に起きやすかったため)。その結果、接点ポートフォリオも期間によって大きく動きます。直近30年プリセットの主な用途は「答えの更新」ではなく、前提次第で最適配分がどれだけ動くかという「幅」を確かめることです。
「無リスク資産」とは具体的に何を指しますか?
円で元本が確保され、いつでもほぼ額面で使えるものです。実務的には預金(預金保険の範囲内)や個人向け国債が該当します。既定値1.80%は個人向け国債・変動10年(2026年7月募集・第196回債)の初回適用利率(税引前)です。なお市場で売買される固定利付の10年国債は、金利上昇で価格が下落するため「無リスク」ではありません(個人向け国債は国が額面での中途換金を保証している点が異なります。発行後1年間は換金不可、換金時は直前2回分の利子相当額が差し引かれます)。
相関が低いと、なぜリスクが減るのですか?
2つの資産が別々のタイミングで上下すると、片方の下落をもう片方が和らげる場面が生まれるからです。相関が+1(完全に同じ動き)だと打ち消しは起きず、相関が低い(0や負)ほどポートフォリオ全体の変動は各資産の加重平均より小さくなります。これが「フロンティアが左に膨らむ」理由です。
接点ポートフォリオが株式に大きく偏るのはなぜ?
円ベースの実績値では、米国債券は為替リスクの分だけ変動が大きく(約14%)、株式との相関も高い(約0.5)ため、「リスクを下げる部品」としての働きがドルベースほど強くありません。その結果、シャープレシオ最大の混ぜ方が株式寄りになります。これは「ヘッジなしの外国債券は円ベースでは分散効果が限定的」という、実務でもよく指摘される現象です。前提を変えると結果も変わるので、数値を編集して試してみてください。
為替ヘッジをすれば、ドルベースの数字になりますか?
なりません。為替ヘッジにはおおむね日米の短期金利差に相当するコストがかかるため、ヘッジ後の期待リターンはドルベースの数字からヘッジコストを引いたものに近くなります(リスクはドルベースに近づきます)。本ツールはヘッジなし(円ベース)とドルベースの2モードのみを扱い、ヘッジ付きは対象外です。
期待リターンが「算術平均」なのはなぜ?複利(幾何平均)とどう違う?
効率的フロンティアの計算(1期間の平均・分散の分析)では算術平均を使うのが標準だからです。長期の資産成長を表す複利リターン(幾何平均)は、変動がある分だけ算術平均より低くなります(目安:算術平均−分散÷2)。「長期でいくらに育つか」を見たいときは、この配分の期待リターン・リスクをモンテカルロシミュレータに入れて確認してください。
「借入(レバレッジ)が必要な領域」とは?
接点ポートフォリオより右のCML(破線部分)は、無リスク金利でお金を借りて接点PFを100%超持つことを意味します。理論上は可能でも、個人が無リスク金利で借りることは現実には難しいため、本ツールは借入なしの範囲(現金と接点PFの混合〜フロンティア上)で配分を返します。
この配分どおりに買えばいいですか?
そのまま従うことは推奨しません。最適配分は入力した期待リターン・リスク・相関に敏感で、これらは過去の値であり将来は不明です(推定誤差の問題)。理論が教えてくれるのは「リスク調整は現金比率で行うと効率的」「分散は相関次第」という考え方の枠組みです。数値は幅を持って受け止め、最終判断はご自身で行ってください。本ツールは投資助言ではありません。

用語集

効率的フロンティア
リスク資産の組み合わせのうち「同じリスクでリターン最大(同じリターンでリスク最小)」になる点をつないだ曲線。マーコウィッツ(1952)の現代ポートフォリオ理論の中心概念。
接点ポートフォリオ(タンジェンシー・ポートフォリオ)
無リスク金利の点からフロンティアへ引いた接線が触れる点。シャープレシオ(リスク1単位あたりの超過リターン)が最大のリスク資産の組み合わせ。CAPMではこれが「市場ポートフォリオ」に一致すると考える。
資本市場線(CML)
無リスク資産と接点ポートフォリオを混ぜてできる直線。リスクをどれだけ取るかに応じて、この直線上を移動するのが理論上最も効率的。
シャープレシオ
(期待リターン−無リスク金利)÷リスク。取ったリスクに対してどれだけ報われるかの効率指標。大きいほど効率的。
最小分散ポートフォリオ
リスク資産だけの組み合わせでリスク(標準偏差)が最小になる点。フロンティアの左端。
トービンの分離定理
「最適なリスク資産の中身(株と債券の比率)」と「リスクをどれだけ取るか(現金との比率)」は別々に決められる、という定理。リスク許容度が違う人でも、リスク資産部分の中身は同じ接点PFでよい。
相関係数
2資産の値動きの連動度(−1〜+1)。低いほど分散効果が大きい。
無リスク資産
元本と利回りが(名目で)確定している資産。本ツールでは円の預金・個人向け国債などを想定。

データの出典・前提

免責:過去の実績は将来の成果を保証しません。本ツールは情報提供のみを目的とし、特定の金融商品の推奨・投資助言・勧誘ではありません。税金・手数料・為替ヘッジコストは考慮していません。