4%ルール検証ツール
米国データ 1928–2025(S&P500・米10年国債・CPI)でポートフォリオ存続率を検証。円ベース(円換算 1973–2025)にも切替可
はじめての方へ — このツールでわかること
「老後に資産を毎年いくらずつ取り崩したら、お金は何年もつのか?」——その目安を、米国の過去約100年(1928–2025年)の実際の株価・債券・物価で確かめられます。たとえば「毎年資産の4%を取り崩す」生活を過去のどの年から始めていたら、30年間お金が尽きずに済んだか。その割合(=成功率)を一覧で見られます。為替と日本の物価を織り込んだ円ベースへの切替にも対応しています。
トリニティスタディ・「4%ルール」とは?
トリニティスタディは、1998年に米トリニティ大学の研究者(Cooley, Hubbard & Walz)が発表した研究です。「引退後、資産の何%までなら毎年取り崩しても長期間お金が尽きないか」を過去の市場データで検証しました。
そこから広まった経験則が「4%ルール」です。ざっくり言うと「引退時の資産の4%を初年度に取り崩し、翌年以降は物価上昇に合わせて取り崩し額を増やしていけば、過去の実績では多くの場合30年間は資産が尽きなかった」というものです。本ツールはこの考え方を最新データまで延長して再現しています。
※あくまで過去の米国市場での結果です。為替・税金・手数料は考慮しておらず、将来や他国に同じ結果が当てはまる保証はありません。
使い方は3ステップ
配分を選ぶ
株式と債券の割合を、スライダーかプリセット(例:50/50)で選びます。株式が多いほど期待リターンも値動きのブレも大きくなります。
物価の考慮を選ぶ
「実質」は生活費が物価とともに増える前提(より現実的)。「名目」は取り崩し額を初年度のまま固定します。迷ったら「実質」がおすすめです。
マトリクスを読む
表の各マスが「成功率」です。緑=高い、赤=低い。気になるマスをクリックすると、開始年ごとの詳細グラフが表示されます。
かんたんプリセット
基準通貨(どの通貨で検証するか)
① 株式 / 債券 配分
② 物価上昇率の考慮
③ 検証期間
取り崩し成功率マトリクス
結果の読み方
「成功率」とは:開始年を1年ずつずらした「もし◯年から取り崩しを始めていたら」を全パターン試し、期間中に資産が尽きなかった割合です。例:92.8% なら、試した69通りのうち64通りで30年間お金が持った、という意味です。
色の意味:緑に近いほど成功率が高く、赤に近いほど低いです。取り崩し率が高いほど(表の下にいくほど)、また期間が長いほど、一般に成功率は下がります。
「実質」と「名目」の違い:実質は物価上昇に合わせて毎年の取り崩し額を増やすため厳しめ=より現実的です。名目は金額を固定するので通常は成功率が高く出ますが、年々使えるお金の価値(購買力)は目減りします。なお物価が下落(デフレ)した時期には実質の取り崩し額も減るため、大恐慌期(1929–1930年開始)を含む株式100%の一部条件では、まれに実質のほうが成功率が高くなることもあります。
注意:対象期間が短い・運用年数が長いなどで試せるシナリオ数が少ないと、結果はブレやすくなります(マスにカーソルを合わせると「成功数/総数」が出ます)。
シナリオ詳細
よくある質問
Q. 過去のデータだけで、将来も同じ結果になりますか?
いいえ。これは過去の実績を集計したもので、将来を予測・保証するものではありません。市場環境は変化します。「過去にはこうだった」という参考材料としてご覧ください。
Q. 4%なら絶対に安全ですか?
過去の米国データでは高い確率で30年もちましたが、100%ではありません。配分・期間・始めるタイミングによって変わります。実際の成功率を表でご確認ください。
Q. 「実質」と「名目」、どちらを見ればいいですか?
生活費は物価とともに増えるのが普通なので、購買力を保つ「実質」のほうが現実的です。「名目」は取り崩し額を固定するため通常は成功率が高く出ますが、年々使える価値は目減りします。例外として、デフレ(物価下落)の時期は実質の取り崩し額が減るため、実質のほうが成功率が高くなる場合もあります。
Q. 日本に住んでいても当てはまりますか?
既定のドルベースは米国市場・米ドル・米国の物価での検証です。上の「基準通貨」を円ベースに切り替えると、同じ米国資産を為替込みで円換算し、取り崩し額は日本の物価(CPI総合)で調整して検証できます(1973–2025年・53年分)。ただし税金・手数料や、日本株・現金など円建て資産の配分は反映していません。詳しくは解説記事「4%ルールは日本の投資家にも使えるか」をご覧ください。
Q. 税金や手数料は考慮されていますか?
いいえ。実際にはその分だけ成績は厳しくなります。表の成功率は税・手数料を引く前の理論値です。
Q. 原典と債券の種類が違うのはなぜですか?
オリジナル論文は長期の高格付け社債を使いますが、本ツールは1928年から一貫して入手できる米10年国債を採用しています(下の「計算方法とデータについて」も参照)。
用語ミニ解説
- 取り崩し率
- 初期資産に対して1年目に引き出す割合。例:資産1,000万円で4%なら初年度40万円。
- リバランス
- 値動きで崩れた株式・債券の比率を、毎年はじめに元の配分へ戻すこと。本ツールは毎年リバランスを前提にしています。
- 実質 / 名目
- 実質=物価上昇に合わせ取り崩し額を増やし購買力を維持。名目=初年度の金額のまま固定。
- 成功率
- 開始年をずらした全シナリオのうち、期間中に資産が尽きなかった割合。
- 枯渇(失敗)
- 取り崩しの途中で資産がゼロ以下になること。本ツールではその時点で「失敗」と判定します。
計算方法とデータについて
手法:初期資産を100とし、毎年「年初に取り崩し → 残額を配分比率で運用(株式・債券は毎年リバランス)」を期間分繰り返します。取り崩しが資産を上回った時点で「失敗(枯渇)」と判定します。これは Cooley, Hubbard & Walz (1998) のトリニティスタディの考え方を踏襲した簡易再現です。
実質 / 名目:名目モードは初年度取り崩し額(取り崩し率×初期資産)を全期間固定。実質モードは毎年その額を前年の物価上昇率(CPI、12月前年比)で増やし、購買力を一定に保ちます。運用リターンは常に名目値を使用します。
円ベース:基準通貨を円に切り替えると、株式・債券の年次リターンを「r円 = (1+rドル)×(為替変化率) − 1」で円換算します(為替は円/ドル・各年12月の月中平均)。実質モードの物価は日本の消費者物価指数(総合・全国・12月前年比)を使用します。対象は変動相場制移行後の1973–2025年(53年)で、ドルベース(98年)より標本が少ないぶん成功率はぶれやすくなります。
データ出典:株式(S&P500、配当込)・米10年国債リターンは Damodaran (NYU Stern)。米国の物価上昇率は US Inflation Calculator(BLS CPI)。いずれも1928〜2025年。円/ドル為替は FRED「EXJPUS」(12月の月中平均・1972–2025年)。日本の物価上昇率は 総務省統計局「消費者物価指数」(e-Stat・総合・2020年基準接続指数・12月前年比、1973–2025年)。
注意:過去の実績であり将来を保証するものではありません。オリジナル論文は長期高格付け社債を使用していますが、本ツールは長期の一貫データが得られる米10年国債を採用しています。期間の標本数(シナリオ数)が少ないと結果はぶれやすくなります。